お札 納札 納め札
札所を打つとは
一般に、西国三十三所・四国八十八ヶ所等の巡礼寺院へお参りすることを「お寺を打つ」と言います。
これは、札所のお寺へお参りしたとき、名前等を彫った木の板をお寺の柱等に打ち付けて願を掛けたことが始まりなのです。
下の写真は、西国29番札所「松尾寺」の柱に打たれた「古~いお札」の写真です。ここに打ち付けられてから何年、いや何百年経っているのでしょうね。
ところがこのお札も時代とともに少しずつ姿を変え、江戸時代になって「刷(す)り物」つまり印刷技術が発達するようになると、
木の札は姿を「紙の札」へと変えていきました。特に、江戸っ子の「粋(いき)」な町民文化が観音様信仰と融合して、
この「紙の札」は江戸時代に札所への巡礼にこぞって持って行かれたのです。
今でもこの札のことを「千社札(せんじゃふだ)」と言って特に関東の方には人気があるようです。
(下の真中の千社札の写真・・・どこかで聞いたことのある名前。さては、「どらえもん」もお参りに来たのかな。)
しかし、昨今ある問題が発生してきました。
札所のお寺は、とっても古く歴史のあるお寺ばかりで、文化財保護の問題です。大切な私たちの国の仏教文化を今に伝える資料としての札所のお寺に、
ところかまわず「お札」が貼り付けられ、中には「重要文化財」にまで貼り付けられることもしばしばあったとか(上の写真はそうではありませんが)。
昨今の札所のお寺では、このお札を貼り付け禁止としているお寺も沢山あります。
でも、札所0番では「江戸の町民の観音信仰の文化」も「仏教文化の崇高な数々の文化財」も、どちらも大切な日本の文化として
次代へと受け継いでいただきたいと思っています。
お寺へ行くと、「納札入れ」なる箱が必ずあります。ここへ「お札」を納めてはいかがでしょうか。
札所0番では、これが「江戸の町民の観音信仰の文化」も「仏教文化の崇高な数々の文化財」も絶やない最良の方法と考えています。