タイプ別お遍路・巡礼の装備 |
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昨今、四国八十八ヶ所の遍路道を歩いて巡礼する、所謂「歩き遍路」が多くなりました。その昔、歩き遍路と言うと、
白装束に身を包み遍路笠をかぶって、金剛杖を片手に笈ズルを背負って足には草鞋というのが相場でしたが、昨今の
遍路道の事情を勘案すれば、それは無謀でさえ有ります。 弘法大師のころから今に続く遍路道は、その7割がアスファルトの舗装道路となり、一部には市街地を歩く事もあるのです。 昔からの土道が舗装道路になるということは、歩き遍路にとって劇的な環境の変化なのであって、昔どおりの格好、装備で 1400kmを歩き通すことは無謀な行為です。 今の時代には、「今の遍路道を歩くためのグッズ」を装備して望むことが大切です。 |
イラスト:おかだとよいち |
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●雨対策 重要度★★★★★
レインスーツやレインポンチョは中が蒸れなくて防水性能の高い素材のものが必要です。 コンビニなどで販売している透明の「ビニール雨合羽」は、着用して歩いていると、中がムレてベトベトに。不快であるだけでなく、汗冷えを起こして体調を損なう危険があり、お薦めできません。お遍路中は、歩くのがしんどくなったら休めばいいのですが、雨はしんどくなっても止んではくれないのです。 ▼おすすめのポンチョ ・ミズノ(MIZUNO) ベルグテックレインポンチョ
シューズ(靴)について 重要度★★★★★
舗装道を難なく歩き続けることが出来るような屈曲性能の高いソール(底) 登山靴で歩いていらっしゃる方を時々見かけます。11番・藤井寺から12番・焼山寺までの峠越えなどはそれでいいのですが 問題は、その後21番・太龍寺以降に室戸まで延々と続く舗装道路です。そして、この舗装道路は全体の7割もあるのです。 柔らかい土道ではなく固い舗装道路を、底の硬い登山靴で歩くのは無謀ですね。やはり底が柔らかく「歩く」ことを前提に 設計されたシューズ(ウォーキングシューズ)がベスト選択です。 雨の日に、より快適に歩く事が出来るモデル お遍路道中、晴天の中を歩き続けることは理想ですが、なかなかそうも行きません。雨天時、シューズの中に水が入りシューズ が重くなったり、不快に思えたり、湿気から来る蒸れでマメを作ってしまったり・・・。とにかく水は大敵です。そんな場合に 快適なシューズ内の環境を作ってくれるのが「ゴアテックス」という素材です。外からの水(雨)は透さず、シューズ内の水蒸気(湿気) は外に逃がしてくれる素材なのです。 ③足のマメ対策 重要度★★★★★ マメ防止には靴の中と足を乾燥させることが大切なので、歩行中2時間に一度は休憩を取って、ソックスも脱ぎ、足と靴の中を乾燥させること。ソックスは速乾性のものが良。
リュック(バックパック)について 重要度★★★★☆
歩き遍路の場合、毎日朝早くから15時位まで、少なくても7時間~9時間くらい、休みも入れながらではありますがリュックを背負って歩くことになります。 この際、一番不快(苦痛)に思えるのは重量で、その次が背中の蒸れです。昨今はリュックの構造も色々と改良されていて長時間の使用でも蒸れずに快適に 背負えるモデルが発売されています。その中の一つが ドイツのdeuter(ドイター)社のハイキング用のモデルでフューチュラシリーズです。 このモデルは標準でリュックのレインカバーも搭載していて、突然の雨でも素早く対応できます。 【おすすめ】 deuter(ドイター)フューチュラ シリーズ 20リットル~32リットルまで各種あり |
歩き遍路のシューズ | 歩き遍路のソックス | 歩き遍路のレインウェア | 歩き遍路のアンダーウェア |
●へんろ道実録レポート●11番・藤井寺~12番焼山寺(焼山寺へのへんろ道)【2005.05.07】
●へんろ道実録レポート●19番・立江寺~21番太龍寺(鶴林・太龍越えのへんろ道)【2007.05.02】 |
■四国遍路と観音巡礼の違いについて
四国の人にとって、お遍路さんは「弘法大師の教え(真言宗仏教)の修行をされている人」と考えられています。歩いていると出くわす「お接待」や 色々な地元の方とのコミュニケーションには、その前提として「弘法大師の教え(真言宗仏教)の修行」があるのです。 四国遍路(=修行)をするには、修行をするための格好があります。それが所謂「お遍路さんの白装束」です。よく「白装束でないとダメでしょうか」との お問い合わせをいただきますが、四国遍路は、遍路を取り巻くお四国の地元の人達も含めて、「四国遍路=修行」という認識の中へ行くことですから、 ただのアウトドアウォーキング(旅行)でないことは明らかであり、その答えは言うまでも有りません。 一方、西国三十三所観音霊場などに代表される所謂「観音霊場への巡礼」は、もともとは四国遍路同様、修行僧の修行としてスタートしていますが、長い時代の変遷で 古寺散策を兼ねた一般民衆の旅行的な意味合いが強くなってきており、今日では、四国遍路のような「歩く修行」的な意味合いは薄れつつあります。巡礼の本来の姿で お参りされている方もごく稀なのが現状です。 ■歩き遍路と野宿について 70リットルもあるザックにテント、シュラフなどを詰め込んでお遍路をされていらっしゃる若い方を時々見かけます。 四国の地を野宿しながら全行程歩くというのは、アウトドアフリークにとって魅力的であり、最高のアドベンチャーなのかも知れないですが、1200kmを超えるへんろ道は、四国の土地の人々の生活道路も兼ねていたり、 四国という土地が特に治安が特に素晴らしく良いというわけではありません。道の駅や寺院などで予め了解を得た上での設営をオススメします。またゴミ処理も大切なマナーです。食べ物やコンロなど 野宿で出したゴミはしっかり自分で管理して処理しましょう。これは、地元の、お遍路に心温かい方に対するマナーでもあります。 また、できれば女性の場合は、へんろ宿を利用することをおすすめいたします。またへんろ宿を利用すれることで、荷物を減らすことも大切ですし、他の遍路達とのコミュニケーションも大切な修行であるとも言えなくも有りません。 |