札所0番(ふだしょぜろばん)


12番・焼山寺への道(遍路ころがし)2



11番・藤井寺の本堂の左横から始まる弘法大師・空海の歩いたへんろ(遍路)道は、次の札所の12番・焼山寺(しょうさんじ)まで山の中に続く道です。


入り口には、へんろ道保存協力会さんが作られている、お遍路さんにはお馴染みの「へんろ道看板」が立ってました。 健脚5時間、平均6時間、弱足8時間と書かれてます。

この看板の立ってる場所の薄暗さや、この横から続く道の急な勾配を見ると一瞬腰が引けてしまいます。
自分は一体何時間掛かるんだろう。弱足か・・・、いやいや平均じゃないのか・・・健脚ってことはないな・・・
色々と考えながら、複雑な気分でスタートです。時計を見ると、時間は朝の9時丁度。

いざスタートしてみると、意外となだらかな道が続きます。うっそうと茂る木々の中をぬって5分ほど歩くと「11番・奥の院」と書かれた碑を通過。 小さな祠(ほこら)がありました。とりあえず無事にみんなが12番まで行けるように「お賽銭」を置いて、合掌。
奥の院を過ぎると、枯葉がいっぱいの「へんろころがし」と呼ばれる急斜面が待ってました。




しばらく歩きました・・・
いやいや、ちょっときつかったので「しばらく」のように思えましたが、実際は数分ってところです。
道は一段と急な斜面になってきました。
ひょっとして・・・こんな道がこの先ずっと続くの・・・
ちよっと不安になってきます。そして、呼吸も少し乱れてきます。
写真に写っているのは店長の花咲久子ですが、以外と軽い足取り。
撮影者はというと勿論わたくし、花咲比呂志@ちょっと泣き顔です。はっきり言ってこのカメラさえも重たく感じてきました。
でも、こんな始めから泣き言を言うわけには行きません。

少し歩き続けると、体も段々と慣れてきます。そして突然、前の視界が明るくなってきます。

ん・・・? ひょっとして、ち、頂上・・・


そんなわけはありません。歩き出したばかりです。
へんろ道が、舗装道路に交差します。舗装路には休憩用の木製ベンチが2、3脚置かれてます。が、 他の者が疲れていない模様。「休もう」なんて言えるはずも無く、舗装路を横切ってさらに遍路道の登山開始です。


ここからの遍路道は、岩肌が路面にむき出しになっていて、足場が悪く歩きにくくなります。特にこの日は、前の日が雨だったので 路面の状態は悪くて、所々に水溜りもある状況。

こんな道は、トレッキングシューズでゴアテックスモデルなら、水溜りに足を入れても大丈夫です。

足場の悪い道をしばらく歩くと、少しずつなだらかになってきます。標高は300メートルくらいか・・・。突然水飲み場が見えてきました。 でも、水はぜんぜん無し。
おまけに、看板に「これから先は柳水庵(りゅうすいあん)まで飲み水はありません。」って書かれてます。
こんな事もあるんです。まさに歩き遍路は大冒険。水だけは11番から持って上がりましょう。


途中でもう500mlのウーロン茶を飲み干していて、ネットで調べた情報でここをあてにしていた僕は、思いっきり とほほ。


飲み水のあてがはずれ・・・、でも仕方がありません。ひたすら我慢して歩きます。
このあたりまで来ると、ありがたいことに、道はわりと平坦になり坂といってもなだらかになってきました。
木々の中を通って吹いてくる風は、心地よい冷たさで、とってもすがすがしいハイキング気分になってきます。 途中に長戸庵まで1000メートル。って書かれた看板にすれ違いました。
さて、柳水庵(りゅうすいあん)までの中間で、丁度いいところにあるということで名がついたという長戸庵(ちょうどあん)まで、 あともう少しになってきしまた。


おっ、またまた「へんろ道看板」です。
左手に持ってるローソンのナイロン袋には、空っぽになったウーロン茶の500mlボトルが入ってます。
意外とこれが山歩きには邪魔なのです。やはり両手がフリーのほうがいいです。
ボトル、水筒 はリュックに入れたり、引っ掛けて持ち運ぶのがベターです。



さーて、ようやく全行程の1/4、長戸庵(ちょうどあん)に到着です。所用時間は1時間15分でした。結構サクサクと歩きましたので予定より少し早めの到着です。
一緒に歩いていた親父は、熱くて白衣を脱いでしまいました。


ここ、長戸庵で休憩しているとお遍路さんが上がってきました。HP掲載を許可いただいてお二人とも撮影です。





四国遍路ひとり歩き同行二人 地図編

四国遍路ひとり歩き同行二人 解説編