札所0番(ふだしょぜろばん) |
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昨今、四国八十八ヶ所の遍路道を歩いて巡礼する、所謂「歩き遍路」が多くなりました。その昔、歩き遍路と言うと、
白装束に身を包み遍路笠をかぶって、金剛杖を片手に笈ズルを背負って足には草鞋というのが相場でしたが、昨今の
遍路道の事情を勘案すれば、それは無謀でさえ有ります。 弘法大師のころから今に続く遍路道は、その7割がアスファルトの舗装道路となり、一部には市街地を歩く事もあるのです。 昔からの土道が舗装道路になるということは、歩き遍路にとって劇的な環境の変化なのであって、昔どおりの格好、装備で 1400kmを歩き通すことは無謀な行為です。 今の時代には、「今の遍路道を歩くためのグッズ」を装備して望むことが大切です。 |
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歩き遍路の装備について |
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へんろ道実録レポート |
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四国の人にとって、お遍路さんは「弘法大師の教え(真言宗仏教)の修行をされている人」と考えられています。歩いていると出くわす「お接待」や 色々な地元の方とのコミュニケーションには、その前提として「弘法大師の教え(真言宗仏教)の修行」があるのです。 四国遍路(=修行)をするには、修行をするための格好があります。それが所謂「お遍路さんの白装束」です。よく「白装束でないとダメでしょうか」との お問い合わせをいただきますが、四国遍路は、遍路を取り巻くお四国の地元の人達も含めて、「四国遍路=修行」という認識の中へ行くことですから、 ただのアウトドアウォーキング(旅行)でないことは明らかであり、その答えは言うまでも有りません。 一方、西国三十三所観音霊場などに代表される所謂「観音霊場への巡礼」は、もともとは四国遍路同様、修行僧の修行としてスタートしていますが、長い時代の変遷で 古寺散策を兼ねた一般民衆の旅行的な意味合いが強くなってきており、今日では、四国遍路のような「歩く修行」的な意味合いは薄れつつあります。巡礼の本来の姿で お参りされている方もごく稀なのが現状です。
70リットルもあるリュックに テント、シュラフ などを詰め込んでお遍路をされていらっしゃる若い方を時々見かけます。 四国の地を野宿しながら全行程歩くというのは、アウトドアフリークにとって魅力的であり、最高のアドベンチャーなのかも知れないですが、1200kmを超えるへんろ道は、四国の土地の人々の生活道路も兼ねていたり、 四国という土地が特に治安が特に素晴らしく良いというわけではありません。道の駅や寺院などで予め了解を得た上での設営をオススメします。またゴミ処理も大切なマナーです。食べ物やコンロなど 野宿で出したゴミはしっかり自分で管理して処理しましょう。これは、地元の、お遍路に心温かい方に対するマナーでもあります。 また、できれば女性の場合は、へんろ宿を利用することをおすすめいたします。またへんろ宿を利用すれることで、荷物を減らすことも大切ですし、他の遍路達とのコミュニケーションも大切な修行であるとも言えなくも有りません。 |